航空危険物とSDS(MSDS) - 海外購買で気を付けること
 
 
航空危険物とSDS(MSDS) - 海外購買で気を付けること
航空危険物とは?  SDSとは?  航空危険物の例外とSDS  まとめ

航空危険物とSDS (MSDS)

外国人や海外在住の日本人が日本から商品を購入し空輸する場合、ニスやレジンなど商品によっては航空危険物にあたり輸送できないことがあるので注意が必要です。そして、航空危険物かどうかの判断材料の一つとしてSDS(MSDS)があります。

  1. 最近は国際テロの影響もあり航空危険物を輸送した場合の罰則が世界的に厳しくなっています。国際郵便も同様です。ただし、旅客機や国際郵便で輸送できないものでも船舶輸送やDHLやFedexなどの航空貨物輸送ではできるものがあるので、あきらめる前に輸送業者もしくは航空会社にSDS(MSDS)を提示しながら問い合わせてみることをおすすめします。

航空危険物とは?

航空危険物とは、航空機の安全運行のために危険物の「航空機内持ち込み」や「預かり」が禁止されている物をいいます。引火性のあるもの、爆発の恐れがあるもの、猛毒性のあるものなど人に危害を与えたり物を損傷するおそれのある物などを言います。つまり、これら航空危険物にあたる商品を海外購買した場合、旅客機や航空貨物輸送機を利用して海外に輸送できないということです。

航空危険物にどんなものがあるの?

ここではスイーツデコと関連のあるものを主に紹介します。ニス、接着剤、ペイント類、レジン、接着剤、発砲ウレタンなどは、引火性のある物質のため危険物に指定されています。じゃあ、スイーツデコの材料を日本で購買できないの!? いいえ。一般的には航空危険物と思われるものであっても輸送できるものがあります!それを確認するためにSDS (MSDS) がいるのです。 (→ 航空危険物一覧表)

SDS (Safety Data Sheet) とは?

SDS (エスディーエス) とは、安全データシートのことです。国家によってはMSDS (Material Safety Data Sheet / 化学物質等安全シート) と呼ぶところもありますが、どちも同じものを指します。化学物質の物理化学的危険性 (爆発、可燃性など) や健康に対する有害性 (急性毒性、発がん性など) 、環境に対する有害性の他にも取り扱い注意事項などに関して書かれています。日本では劇物や毒物、そして消防法や海上汚染防止法などの法律で指定された化学物質が対象とされ、事業者間で提供や譲渡をするときにはSDSの付与が義務付けられています。

SDS (MSDS) の入手方法

ニスや接着剤、ペイント類やレジンなどの危険物には必ずSDS(またはMSDS)が存在します。製造メーカーが発行しており、商品のホームページからダウンロードできたり、Eメールで問い合わせると添付ファイルを送ってもらえたりします。 (※個人顧客には発行しないメーカーもある。)

SDS (MSDS) って何語で書かれているの?

通常、日本の商品は日本の会社が製造しているのでSDS (MSDS) は日本語で書かれています。

SDS (MSDS) の利用

空港の荷物検査で航空機見物ではなくても航空危険物と見なされそうな商品を日本から海外へ商品を持ち出すとき、SDS (MSDS) の提示が重要になってきます。検査職員はSDS (MSDS) をもとにしてその商品が航空危険物に該当するかの判断を下すからです。それにも、商品にSDS (MSDS) を同梱しておけば空港での検査のときに職員の目にとまるかと思います。

GHSラベル
GHSラベル
GHSラベル
GHSラベル
ただし、上にも書きましたが、最近は国際テロの影響で輸出 (出発国) 側だけでなく輸入 (到着国) 側の国でも規制が厳しくなっています。国によっては、現地語 (到着国の言語) でのGHSラベルが必要なところもあるそうで、航空危険物を輸送した場合の罰則も厳しくなっているので気を付けて下さい。
(※このページ全体の内容は当サイトが保証するものではありません。関連機関へ問い合わせするなど各自で確認し、ご自身の責任の下で輸送して下さい。当サイトは国際輸送に関するいかなるトラブルにも一切責任を負いません。)

航空危険物の例外とSDS (MSDS)

ここでは日本のセメダイン㈱の接着剤「スーパーXクリア」を例に説明します。

MSDS「物理的および化学的性質」
MSDS「物理的および化学的性質」
接着剤 (ボンド) はもともと航空危険物に指定されていますが、実は例外があり、「密閉容器テストで引火点が60℃を超える (60℃ちょうどは含まない) 液体状のものは輸送可」となっています。ということは「スーパーXクリア」の引火点が例えば65℃ならば輸送できることになるわけです。びっくりですね。

しかし、商品のパッケージに引火点が何℃かなんて記載はありません。じゃあ、どうやって分かるのか?ここでSDS (MSDS) が登場します。SDS (MSDS) を手に入れて引火点やその他安全性を確認するんです。

SDS (MSDS) の物理的および化学的性質の項目を見るとスーパーXクリアの引火点は220℃となっています。つまり、「スーパーXクリア」は接着剤であるにもかかわらず輸送できる可能性が大というわけです!!
さらに、輸送上の注意の項目を見てみると・・・
MSDS「輸送上の注意」
MSDS「輸送上の注意」
  1. 14.輸送上の注意
  2. 国連番号、国連分類
  3.  国連番号に該当しない
  4. 輸送の特定の安全対策及び条件
  5. 容器に漏れのないことを確かめ、転倒、落下、破損がないように取り扱い、荷崩れの防止を確実に行う。消防法・船舶安全法などの法令の定めるところに従う。
「国連番号に該当しない」と書かれています。日本の国土交通省に問い合わせたところ、国連番号の記載がないということは本来は空輸できる品物であると判断できるとの回答を得ました。ただし、SDSが航空危険物かどうかを保証するものではないこと、日本語で記載されていることからも、到着国 (輸入国) でも航空危険物ではないと判断されるかどうかはわかりませんし、現地語 (到着国の言語) でのGHSラベルが必要な場合もあります。

まとめ

旅客機での輸送がダメなものでも船舶輸送やDHLやFedexなどの航空貨物輸送ではできるものがあるので、日本の国土交通省 (航空局安全部運航安全課) や到着国の関連省庁、航空会社、輸送会社などに≪輸送上の注意≫の項目に関して事前に問い合わせて確認の上、ご自身の責任の下で輸送して下さい。当サイトは国際輸送に関するいかなるトラブルにも一切責任を負いません。

  1. 日本の国土交通省 (航空局安全部運航安全課)
    +81-3-5253-8111 (内線50124)
(電話をかけると「内線番号がお分かりの方は番号を押して下さい」というガイダンスが流れるので5桁の内線番号を押して下さい。担当部署につながります。ただし、英語が通じるかは分かりません。)

スイーツデコの関連商品の航空危険物一覧表
基本情報
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商品価格表の見方 商品名・製造会社名・価格・原材料名
航空危険物一覧表 航空輸送できるの?
航空危険物とSDS(MSDS) 海外購買で気を付けること
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